チョコかたつむり
ブダペストのスーパーの一角には、日本でもみられるような、そこで焼いたパンが並べられてあるコーナーがよくあります。
おやつのようなパンから、間にハムやチームなどを挟んで食べる主食となるパンまで多種多様なラインナップです。
客は、近くになるナイロン製の袋にそれらをつめ、レジに持っていくと会計してくれます。
詰めるときは、トングもあったりするのですが、だいたいみんな素手で直接袋に持って行ったりします。
値段帯としては安いものは22ft、高くても200Ftくらいでしょうか。
ひとつ気になったこととしては、パンは朝から晩まで放置されているので
- パンは開店中ずっと野ざらし
- どんどん乾燥して、硬くなっている
などの状態になります。例えば、ピザのパンなどは夕方にはカピカピに感想しています。レンジで温めるとは別の次元の状態です。
さて、結構な種類があるので、どのパンが人気なのか、客がとってるパンを観察していると、人気のあるパンがあることに気づきました。
そのひとつを紹介します。
カカオスネイル - Kakaós csiga
現地の名前でKakaós csiga(カカオ チーガゥ)という名前のパンです。
ビジュアル的は、渦巻きの間にチョコが詰まっていて割と普通です。
これが、いろんな世代の客が定期的に購入しているパンでした。
このパンの味ですが、ペストリーのパンにチョコがアクセントで甘いという感じでおやつのパンという感じでしょうか。
毎日食べられる、飽きない美味しさがあります。
Kakaós csigaの歴史
ネット上で以下の逸話を見つけました。
このパンは1908年1月10日に、ブダペスト近くのドナウ川の曲がりくねったところにある小さな町Gödで生まれました。
温泉地として有名な町Gödですが、あるパン職人が33歳の誕生日を祝い、新しく作ったペストリーとしてKakaós csigaは初めて作られ、周囲の友達を驚かせました。誕生当時は、csokoládés tekergeと呼ばれていました。現在と違う呼称です。
彼はあまりにも多くのKakaós csigaを作ったため、商品として売ることにしました。これは爆発的に売れました。
今日では、年間9000万個のKakaós csigaが売れています、ということだそうです。
この形状のパンは18世紀にチェルシーで生まれたチェルシーパンとして知られています。19世紀には、主にドイツ語圏でシュネッケンとして広まり、Kakaós csigaのようにチョコレートがかかったものもドイツでは19世紀に生まれてたようです。
先の逸話がどういうものなのかわかりませんが、ハンガリーにはドイツ人やドイツ人混血の人もいるようなので、文化的な交流から生まれた国民食のパンの一つなのかもしれません。