ハンガリー狂詩曲

ブダペストに住む思考の軌跡

カチャマーイ、リバマーイ

カチャマーイ。リバマーイ。

これは何でしょうか?

フォアグラ(英名: Foie gras)です。言わずとしれた、世界三大珍味のひとつです。 実は、ハンガリー はフランスに次ぐフォアグラの生産地なのです。

Kacsamáj(カチャマーイ)はアヒルのフォアグラで、Libamáj(リバマーイ)はガチョウのフォアグラを指します。

スーパーに普通に並んでいます。ORSIというのはMerian Foodsというハンガリーの食品会社のフォアグラブランドです。Merian Foodsは他にも

  • Rex Ciborum
  • Aletta

というブランドを提供しています。

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50gでなんと199Ft

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こちらは409Ftとちょっと高め。しかし日本円で200円以下

パンに塗って食べる

私は、無味無臭の安いパンを買ってきては、何もつけずに食べてました。が、味がなく物寂しいのでたまに、リバマーイをつけて食べています。そういう使い方が正しいのかはわかりません。

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バターのような外観

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化粧品ではありません

朝からリバマーイの芳醇な脂質を味わってますが、健康への影響がきになるところです。

さて健康にいいのでしょうか?

100gあたりの成分です。

数値
エネルギー 891J/215 kcal
脂質 17 g (うち飽和脂肪酸 6.5 g)
炭水化物 2.8 g(うち砂糖 0.8 g)
タンパク質 14 g
塩分 1.3 g

高タンパク高脂質食という感じです。実態はレバーですから、ビタミンや鉄分は期待できます。

これを炭水化物の塊であるパンに塗るとカロリーが爆発しますね。ほどほどにしておきましょう。

たしかにフォアグラの味がして、濃厚な旨味があります。

それ単体で食べて美味しいというより、料理に使ったり、塗ったりする安価なペイストといった感じですが、これほど手頃な価格で手に入るとは驚きです。

ハンガリーのフォアグラ小話

ハンガリー東部から南東部にかけてはプスタと呼ばれる大平原地方が広がってます。農地に向かない荒地や湖沼が多いため、放牧や畜産が盛んだというそうです。そこでは水鳥であるアヒルやガチョウの飼育がされています。この家禽類では、フォアグラとは別に、羽毛も手に入ります。

さて、以前こういうことがあったようです。ロイターの記事です。

www.reuters.com

2017年に発生した世界的な鳥インフルエンザの流行により、フォアグラの価格が高騰しました。普段の価格の2倍にあたる13000 Ft/kg程度に跳ね上がったようです。それはインフルエンザの感染疑いのある数百万羽が殺処分されたことによるだそうです。

日本でも、家きん、家きん肉等の輸入を一時停止対応があったことと思います。

鳥インフルエンザは10年弱のインターバルで発生している気がするので、こうやって安価に食べられる今は貴重なのかもしれません。

参考